うつわ

子どもの食事用の器として、いただきものの焼き物のお皿を使っているのですが、料理をのせる前にこのお皿をお湯でサッと温めるのが最近のとても幸せに感じることのひとつです。

湯を張る行為というよりも、お湯を注がれたお皿が目を覚まし、器としての本来の機能を思い出しはじめる、まるで朝日が顔を出す直前のような、お皿を取り巻く空気が一瞬揺蕩う様が、見ていてとても快感なのだと思います。おはよう、今日もよろしく。

お皿は美濃焼で、これまで私は美濃焼をほとんど手にしたことが無かったので、子どもにごはんを与えつつ、ふむふむと日々観察して過ごしています。

このお皿の主人である子どもは、スプーンでコンコンと叩いて演奏したり、両手で持ちあげて底を眺めたりと、お皿の存在を自由に堪能していて楽しそうです。


器と言えば何年か前に、器に関する場にせっせと足を運んでいたことがあります。美術展や器のセレクトショップ、茶器を扱うお店、陶器市などなど。あらゆる時代のあらゆる器を見たり触れたりさせてもらいました。

個人的にはアジアの大陸のほうで作られた器が結構好きです。スケールがでかいというか、よっしゃ今日はみんなで宴会やで!!パーっといこか!!みたいなめちゃくちゃ明るい気配の器とかがあって、とても楽しいです。せやな!!よっしゃ遊ぶでー!!みたいな。ところでこの会場に何人おんの?え?ウン千人?みたいな。

かと思えば、どこまで思考を掘り下げるんや…と怖気付きそうになるくらい深く深く宇宙の核に向かって潜っていくような、潜っていたと思ったら登っていた、なんて器もあったりして。とにかくまあスケールがでかすぎて笑うしかなくなる感じがすごく好きです。

以前とあるセレクトショップに立ち寄ったとき、当時すでにインバウンドが盛り上がっていて、大陸からお客様がたくさん来てくださると言う話を店長さんがしてくださり、彼らは日本の器に何を感じるのだろうかと、いつか聞いてみたいなあと思ったことがあります。


あ、そうそう、イギリスの茶器も大好きです。眺めているだけで脳内が甘くときめき、使えばとろける。私の勝手な解釈ですが、言葉から作られた器、という感じがして美味です。器を集めるという気を私はあまり持っていないのですが、アフタヌーンティーセットはいつか欲しいな…なんて思うくらいには好きです。


はあーうつわは良き。


最近は石川県の器を手に取りたいなと感じることが多いです。この地方の伝統工芸品は歴史上さすがというか、日本でもずば抜けてTHE 雅ですよね。こういった美しいものに囲まれながら長谷川等伯さんをはじめこの地域の画家達は審美眼を養っていったのかな等と妄想します。

私の手元には九谷焼の急須などありますが、例えば茶道とか、他には神棚やお仏壇のお供え時に使えるものないかな〜って探してみたいです。復興支援として徐々に各地で物産展が開催されているようなので、ぜひ近場のデパートでも企画くださらないかしら…!と待っているところです。


なんだか急に、うつわのおはなしでした。

youkou

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